ストライキ
パリのよくある光景
焦らず、まず様子を見て!
留学中、語学学校は凱旋門のすぐそばにあり、通学、また授業後に遊びにでかけるのにも立地条件が良かった。ただパリでは頻繁にストライキが発生し、地下鉄やバスもその例に漏れない。パリはおよそ世田谷区と同じ大きさで、日本で抱いていた印象よりかなり狭いが、それでも地下鉄が動いていないと学校まではかなり歩かなくてはならなかった。授業は朝八時半からで、冬の時期はまだ外が暗い。駅で電車が動いていないことを知り、学校までの暗い道のりを延々と歩いたことが何度もあったが、ブルーグレーの空に黄金色の朝日が昇って来るのを見ると、少し得した気分になった。いざ教室に入ると、先生自身が学校に来れなかったりして他のクラスと合同で授業をしたり、学校自体が休みになったりすることもあった。最初はとまどったものだが、月に一度くらいはこの光景に出会うのでそのうち慣れてしまった。
今でこそレンタル自転車が各所に設けられているが、当時は自転車自体あまり見かけなかった気がする。その代わりに「ローラー」と呼ばれる縦に車輪が並んだローラースケートがかなり流行っていて、颯爽と走り抜ける若者を見ると、「ああ、ストがあった時はけっこう便利かも」と思ったものである。「走行会」のようなイベントもあって、2〜3百人はいようかというローラーの集団がパリの市街を移動する光景には圧倒された。
他の公共機関や団体でもデモ行進をしているのをよく見かけたが、かのルーブル美術館でストがあった時は、開場されない入口から延々と列が連なり、ここを楽しみに訪れた観光客はたまらない思いをしたことだろう。市民は当然慣れているのでのんきなものだが、滞在時間の短い観光客は焦りを通り越して怒りすら覚えたのではないだろうか。たいていこの手のストは2〜3時間あれば回復するので、こんな時は右往左往せずに「何もしない」のが一番である。
文章・写真:SHIGE











